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 廃棄寸前の雑倉庫

 弥優(やゆ)が過去に描いたり書いたりしたものをしまっておくところです。




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そんな誕生日。(蓮たま) :: 2011/03/22(Tue)

実は蓮×たまおに一番ハマっていたというマニアっぷり。
「Juliet」より短いかと思えば、
負けず劣らず長かったです。というか一文一文が長かった。

大晦日→元旦までの話。
まあ確か蓮バースディ小説として書いたような。
というか私が書く小説はたいがい、ほとんど、誕生日ものです。


あ、ちなみに蓮たまとは言ってますが
見た感じただしゃべってると言っていいレベルです。恋人とかではない。


こちらも相当古いんで読み返したくないです・・・

なんでもこーいって方のみ追記からどうぞ。
ちなみにおまけ漫画もあったりします。


※管理人があまりにも嫌になった場合
削除される可能性あり







毎年、一人で迎えるはずだった(姉さん達もいるが)誕生日前夜。
 だが、今年からは・・・ちょっと違うようだ。





 そんな誕生日。





 「ほんじゃ、今年一年お疲れ様でしたっ!来年もよろしくお願いします、乾杯!」
 「かんぱーーーーーいっ!」

 十二月三十一日。日本。
 民宿「炎」もとい葉の家では忘年会もどきのようなものが行われた。
 はっきり言えば、大晦日を機会に夜遅くまで遊んでよう、というものなのだが。
 「れーん!なーにボーッとしてんだー?」
 「お前もこっち来いよー?」
 と大声で叫ぶのはさっきの乾杯の際、一番大きな声を出していたホロホロと、さっき乾杯の合図を出した葉だ。
 ーだが、はっきり言ってうっかり飲酒でもしてそうなあちらには、到底近寄りたくない。
 返事を返す事も無く、蓮はそっぽを向いた。





 「あちらにお行きにならないんですか?」
 さっきのダミ声とは裏腹に、澄んだ声が隣から聞こえた。
 振り向くと、そこにいるのは、今ではほとんどこの家の家政婦状態となった、「修験者見習い」とやらの玉村たまお。
 因みに、持霊は悲しくもこいつと全く似つかない変態動物霊。
 まともに話した事は・・・ーそう無かったはずだ。

 「ー否、此処でいい。」
 「どうしてですか?いつもはお行きになるのに・・・。」
 「いつもはまだマシだ。だが、今日の暴れっぷりは半端無い。もし此処が飲み屋だったりしたら、他人が巻き込まれる位だ。」
 「そこまで・・・、・・・まあ、そうかもしれませんね。」
 そこまででは無い、とあちらは思っていたのだろう。
 だが、ホロホロが情けない事にジュースで酔い(まさか酔える人間がいるとは)危うく身に着けてる物を全て剥ぎ取ろうとして奴の妹にストップをかけられ、
 葉がそれを見ていつも以上にユルい顔をしながら笑っているのを見てしまい、とてもそう言えなくなったようだ。

 「全く・・・よくあんなのを見て此処に居られるな?普通の女なら引く所だろう。」
 「まあ・・・、私は、昔から葉様を見てきましたから。」
 そう言ったそいつの顔が、微かに微笑んだかに見えた。

 嗚呼、そうか、ーこいつは。
 葉の事が。


 


 「ー何時からだ?」
 「え?」
 「お前が、あいつを好きになったのは。」
 いかにも「どうして知ってるんだ」というような表情でこちらを見る。
 あんなに顔に「好き」とでも書いてあるような所を見たら、さすがに誰だって気づくだろう。
 
 ーシャーマンファイト本戦出場が決まり、今日のような宴会を開いた、あの時にもう既に。
 「さあ・・・私は、ずっと葉様に憧れてて・・・気が付いたらそう思うようになってましたから。」
 「成る程。・・・初々しいな。」
 気が付くとはじめの時とは全く違う話題となっていた。だが、大して違和感というものも無かった。
 「蓮様は?」
 「は?」
 「蓮様は、そういう人とか、居ないんですか?」
 ーまさかこっちに質問が来るとは思ってもなかった。寧ろ会話終了とも思った。
 恋とか愛とか、そんなに興味があるのか。
 決まって、女というのはそういう話題で熱くなる。
 「ー否、いないな。元々そういう事を考えた事も無かったからな。」
 「あら。・・・アンナ様みたいな人は好きになったりしないんですか?」
 「あんな女など誰が好きになどなるか!あんな女に最後まで一緒にいられるのはあいつぐらいだ。」
 「・・・そういうものなんですか?」
 「そういうものだ。どうせ、あいつもはじめは顔だろう・・・。」
 想像していた事と違っていたのだろうか、しばらくきょとんとしていた。
 まあ、確かに俺の言った事が一般理論だとしたら、

 葉は何故奴を選んだのか、という事に繋がりかねないのだが。
 だが人の好みが皆同じな訳が無い。別に不思議な事ではない。
 俺は手に持っていたジュースを口に含もうとした・・・が。

 「あら?でも蓮様って確か潤さんの事が好きだってアンナ様が・・・。」
 「っ!!?」
 その一言で、冗談抜きで噴き出しそうになった。
 「なっ・・・おまっ・・・何故・・・それを!」
 自分でも顔が赤くなっていくのがよく分かった。
 「いえ、最初からなんとなくそうかなーとは思ってたんですが・・・あぁ、やっぱり、って。」

 なんてこった・・・。確かに昔は姉さんしか女として見ていなかった。「初恋の人は幼稚園の先生」だったりする男もいる事はいるが・・・
 普通兄弟に恋愛感情を抱くなど笑える話。悪く言えばこいつより駄目な初恋だ。

 恥だ。
 それ以外に言い様が無い。
 一人でもその事に気づいていた奴が、・・・挙句の果てに女でいたなんて。恥だ。
 「・・・何故、分かった。」
 冷静さを取り戻せないまま、俺は聞き返した。
 「そんなの・・・見てれば分かりますよ?」
 「み、見てればって・・・。」
 「蓮様だってそうだったんでしょう?」
 「は・・・」
 確かに。
 「それに・・・結構分かりやすかったですよ?本人を目の前にしたら、口調はともかく、すぐ赤くなりましたし。」
 「っは!?」
 「私以外の人だって、大体知っていますよ?葉様も勿論。」
 「なっ・・・。」
 あ・・・あいつ等・・・。
 今すぐにでもあいつ等に殴り掛かりたくなった、だが。

 「意外でした。そういう所もあるんだなぁって。」
 「え?」
 そいつから返ってきた言葉は、また想像していなかった言葉だった。
 「別に恥ずかしい事じゃないですよ、みんな誰だって誰かをそういう目で見るんですから。」
 「そう・・・か・・・?」
 「寧ろ、素敵な事ですよ。そういう感情を持てた事は。」
 「・・・・・・・・・。」
 こいつ・・・。

 ここまで言うような奴だったか?

 「・・・そう、か。」
 そう言うと、少し微笑んだかに見えた。
 ーさっきより、優しい目をしてる様に見えたのは、多分錯覚。
 そこで、いったん会話は途切れた。
 途端の葉の一言。
 「さーて、もう三十分前だし、みんなで初詣でも行くか!」
 「は!?」
 ー冗談じゃない。既に酔っ払い並に大変な状態となっているこいつ等とそんな所に行けば、確実に何か起こる。
 それに、三十分前なら確実に混んでいる。今更誰が行くか、と心の中で思った。
 が。
 「賛成ーーー!おーし、そうと決まればみんな準備しろー!」
 「はーーーいっ。」
 「・・・・・・・・・っ。」
 この二言で、約九割の参加は決定した。


 


 「まったく・・・物好きな奴等ばかりだな。」
 結局、葉やホロホロ、まん太や竜、挙句の果てにあの恐妻(アンナ)まで初詣に出掛けた。
 まあ、恐妻の方はなりゆきに等しいが。
 ちなみに男子軍では俺一人が行かないと言い、何度も何度も説得されたがなんとかまいた。
 現在はこたつで一人、紅白をぼんやりと見ていた。(これもまたなりゆきなのか)
 ちなみに男の中では一人と言ったが、
 
 「一度はみんなと行きたかったんでしょう、きっと。」
 一応、一人ではない。
 俺が行かないと言って、さすがに俺一人はどうだろうという意見があり、ならば女子の中からも一人、という事になり、何故か何の権限も無しにたまおに決定した。
 ちなみに、その時に竜が断固否定したが、恐妻によって手と足で止められた。
 「もう着いたんでしょうか?」
 時計を見ると、十一時五十分。ー新年まで、あと十分だった。
 「ー否、もしかしたら途中で誰かがぶっ倒れてるかもしれないぞ。あそこまで壊れていればな。」
 「ーまあ、ありえなくもないかもしれませんね。」
 そう言いながら、食器を片付けている。そして、また小さく笑っていた。
 「でも蓮様、どうして行かなかったんですか?留守番なんて結局は私がやる事になるんですから。」
 「生憎、俺は元々五月蝿いのが嫌いでな。」
 答えはそれで片付いた。
 だけどもう一つ。

 もう一つ、理由があった。

 「だが『結局』って何だ。」
 「え?」
 驚いてこちらを見た。
 「お前だって葉と行きたかったのではないのか?」
 そいつが好きなら、そう思うのは当たり前の事。
 「諦めにも程があるだろう、一回位自分の願いを主張してもいいだろう?」
 ー諦めるから、またそうやって他人に決められて。
 叶った事の無い願いが増えるだけ。
 ー苦しくないのか。

 「どうして、何も言わなかった。」

 「前も一度、・・・葉様とアンナ様が初めて会った年、その時も、初詣・・・行こうとしたんだそうです。」
 「え?」
 何故そこで昔話になるのか理由が見つからなかった。
 「でも、その年は結局途中で色々あって・・・初詣どころじゃなくなったそうです。それと聞きました。葉様はアンナ様を助けたくて初詣に誘ったって・・・。」
 「・・・・・・。」
 「ずっと気にしてたんだと思います。自分が誘ったから、アンナ様がこの時期をあまり好めなくなった事を・・・。
 それと、楽しんで欲しかったのだと思います。自分達が初めて出会ったこの時期を・・・。」
 既に完全に聞き入っていた。
 「だからあんな風に誘ったんだと思います。二人だけじゃまた悲しい事しか思い出せない事を恐れて、みんなで行けるように・・・。」
 「お前・・・。」
 「だからいいんです。私はお二人が幸せならそれでいいんです。今更あの中になんて入り込めないし、
 ちゃんと笑えている葉様が見れるなら、私はそれでいいんです。」

 「・・・・・・・・・。」
 何も、言えなかった。
 それでいてどうして今まで想っていられたのか。
 どうして、そんなに耐えていられるのか。
 「・・・強いな、お前は。」
 でも、そう言ったら、
 「私はそんな、蓮様に比べたら全然駄目ですよ。」
 と手をぶんぶん振りながら断固否定した。どうせシャーマン的に考えて言ってるのだろう。
 まあ、こいつならどう考えても否定してそうだが。
 
 『さあ、今年もあと一分です!皆さん、今年一年はどうでしたか?・・・』
 ふと、テレビのアナウンサーの声が目立った。
 「・・・今年ももうすぐ終わりなんですね。」
 「ああ・・・そうだな。」
 奴等はちゃんと到着できたのか、という疑問も少しだけ生まれた。
 だが、それより意外だったのは、今年の最後をこいつと迎える事になった事。
 そして、来年の最初をこいつと迎える事になった事。
 そして、問題なく行われたカウントダウン。
 あと、三秒。
 
    二。
 
    一。


 


 ドン、と近くで花火の音が聞こえた。花火は、ここの窓からも微かに、意外にはっきりと、見えた。
 「あけましておめでとうございます。」
 「ああ、おめでとう。」
 新年最初の挨拶。・・・こうなるなんて、「去年」は思ってもみなかった。

 「それと。」





 「誕生日おめでとうございます、蓮さん。」





 聞き慣れない言葉だった。
 そう、一月一日は一年で最初の日でもあり、俺が、生まれた日でもあった。
 「・・・なん、で。」
 「や、実は皆さんが出掛ける前にちょっと言ってたんですよ。蓮様を祝うためでもあったのに、って。」
 ああそうか。あいつ等のやりそうな事だ。
 「・・・でいい。」
 「え?」
 「『様』じゃなくていい。あと・・・・・・・・・っ、『謝謝』」
 「っ!」
 途端、奴の顔が少し赤くなったように見えた。と思いつつも、俺も心底、照れを隠せなかった。
 人に正面から礼を言った事なんてあまり無かったから。
 「っ・・・と、そ、そういえばプレゼント無いですね!」
 と、少し慌てながら話題を変えた。
 「・・・まあ、そうだな。」
 「あ、じゃ、じゃあ、代わりに何か作りますんで、ちょっと待ってて下・・・。」
 と言い掛けて台所に向かう所で手首を掴んだ。
 自分でも、何がしたかったのかよく分からなかった。
 「え、あの・・・?」
 「プレゼントとかは・・・別にいい。ただ此処にいろ。」
 「え・・・。」
 下を向きつつ、続けた。
 「何もいらないから、此処にいろと言っているんだ。・・・分かったか。」
 自分からこんな言葉が出てくるとは思ってもなかった。
 ただ。

 傍にいてほしかった事は、はっきりと分かった。
 「・・・はい。」
 さっき程ではないが、少し照れながらの、そしてさっきよりもっと愛らしい笑顔での答えが返ってきた。





 それから、葉達が帰ってくるのをこたつの中で待っていた。
 まさかたまおが自分の隣に入ってくるなど思いもしなかったので、ほとんどテレビに集中できなかった。(どんな番組かも忘れた)
 ただ、情けないほどに意識していた。
 しかも途中でたまおが寝てしまって、起こそうと努力したが、運悪く葉達が帰ってきてしまって色々誤解されるなどその後は大変だった。

 ただ、こういうのも悪くないなと心から思えた。そんな誕生日だった。






おまけ漫画→その後のそんな展開。


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